中央アジア散歩 2011年夏学期 全学自由研究ゼミナール

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高麗人と韓国政府

公開日:2011年8月29日

投稿者:uzstudent2011s

1.高麗人の歴史的背景と現状

長い間韓国との交流が絶たれていた高麗人に対して韓国政府が法律を制定するなど支援し始めた背景には、ソ連の解体とCISの諸国が独立がある。CISの諸国が独立しにつれて、数年間各国がロシア語でなく、自分の国の言語である固有言語を勧めるなど民族中心主義政策を実してきた。それによってロシア語しかしゃべれない高麗人、CISの諸国では異邦人である高麗人のなかでは沿海州に移住している動きが見えている。しかし、移住の家庭で国籍を証明するような書類を紛失してしまったり、国籍取得の機会を逃してしまった一部の高麗人は他の地域に居住している高麗人に比べて経済的に、社会的に困っている。現在、約5万人に達する高麗人が無国籍または法的な地位不安定の問題で教育や医療恵沢など基本的人権を享受できない状態におかれていると報告されている。このように、現代に入って自分の居住国で安定した生活が維持できない高麗人が増えるにつれて、韓国政府は高麗人の滞在資格取得を支援し始めた。そして、2010年5月に「高麗人同胞合法的滞留資格取得および定着支援のための特別法を制定し、今年の11月から実施する予定である。

2.無国籍高麗人への支援政策

無国籍高麗人のなかには、自分の元の所属国が発行したパスポートは持っているが、期限が切れたり、パスポートを失ってしまったり、またはソ連時代のパスポートを新しいパスポートに変えられなかったため、不法滞留者として生活している場合が多い。ロシアや元の所属国で申し込むと発行してもらえる場合もばるが、その手続きが非常に複雑であり、かつ、費用の時間もかかるためあきらめてしまうのである。中央アジアの国は海外移住を告げなかったことに対して非常に厳しい政策を採っているため、無国籍高麗人は有効なパスポートやビザがなく、雇用、医療、教育などの分野で基本的な恵沢をもらえなく、いつも追放の恐れのなかで最貧困層として生きていくしかない。

このような高麗人の問題に対して、ウクライナはうまく対処している成功例のひとつである。韓国大使館は内務部・労働部・地方主政府などが全部協力し合って個人とのかかわりを持ち、高麗人が合法の滞留資格が取得できるように努めてきた。ウクライナ政府も高麗人の問題解決に協力している。ウクライナ政府は一定の罰金を払えば短期滞留資格は取得できるようにし、雇用契約書を提示すると動労許可まで発行することにした。また、パスポート発見の手続きも簡単にした結果、ウクライナで新しく国籍を取得した高麗人は約150人、永住権を取得した高麗人は200人など、合法の滞留資格を持ってる人の数が増えている。

しかし、合法の滞留資格を続けて持っているためには労働許可資格を続けて持っていることが必要であり、そのためには60ドルに相当する税金を払わなければならない。これは所得が低い人々に対してはかなりの負担であり、より根本的な解決方法が求められているところである。この問題の解決のため、韓国大使館は微小金融と農業教育を実施する予定である。要するに、滞留資格の合法化のため自立する維持がある高麗人に対しては農業教育を実施し、実践計画も提出する場合、低利子で資金も提供することを計画している。

残念なことに、今のところ韓国政府と高麗人はそこまで深い関係は持っていないと考えられる。高麗人も第1世代や第2世代くらいだけが韓国語がしゃべれたり、韓国に愛着を持っている程度で、彼ら自身も韓国人という意識が薄いが、元は一緒である高麗人により関心を持って支援していきたいものだと思う。

(文科一類二年 キム・ヘジン)

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