企業の先端技術を学び、新たな可能性を模索しよう

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2016年度-課題3:移動の喜び

公開日:2018年1月12日

投稿者:advtech

授業担当

松本悠(東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門)
上野裕子・塚越光・鷲見卓也(株式会社リバネス)
中嶋歩 様(本田技研工業株式会社、経営企画室)

概要

本田技研工業株式会社さんは、HONDAで知られる車を中心としたメーカーです(以後HONDA)。HONDAさんからは、他大学でも授業を実施している経験があり、アイデア創出から事業性も絡めた具体的な商品提案まで、より企業としての実務に近い形での議論を体験してもらいました。

授業の流れと様子

初めに、HONDAからお越しいただいた中嶋様から、企業紹介や企業としての理念、製品の説明などを講演していただきました。テレマティクス(移動体、この場合は車、自体に通信システムを導入してサービス提供する技術)についての開発の歴史と事例紹介をしていただき、自分にとっての「移動の喜び」とは何か、を考える個人ワークからスタートし、アイデアの創出の方法を講義していただきました。

そして、そのアイデアをアイデアのままにせず、対象とするニーズの調査や、フィジビリティと事業性を考慮して、企画化する作業を、グループで議論してもらいました。

最後には、企業の方々に対して、学生たちが出したアイデアを、具体的な商品としてまとめてプレゼンをしてもらいました。質疑応答の後、講評と学生との交流もしました。

 

学生のレポート

1班:スマートデート

1班は、ターゲット層を20~30代の男性とし、ドライブ中でもスマートフォンでデートコースを自動的に提案できるアプリを、商品として提案してくれました。デートする地域、予算、相手との関係などをインプットすることで、アプリの他の利用者が投稿した付近のスポット情報から、デートコースを提案してくれる、というコンセプトでした。

質問として、「ターゲット層として、利用者は男性なのかもしれないが、果たしてデータを享受して喜ぶのは誰なのか、ターゲット層をより慎重に吟味すべきなのではないか」や「実現性として、登録する店や場所のスポット情報を増やす具体的な方法はありますか?」などと言ったものがありました。

2班:Creative 移動の喜び

2班は、移動の喜びとして、「非日常の景色を目で楽しむこと」「その空気感とともに保存できること」に注目していました。想い出を見返したときに、その空気感ごと思い出せて、また行きたい、という感動と興奮があると、連鎖的に次の移動への意欲につながる、との提案でした。

保存方法としては、車載カメラでパノラマ写真を、自動で随時撮影したり、場の雰囲気として音(動画)も録音したり、移動の経路をマップと連動させる、などのアイデアを出してくれました。

質問として、「実現に向けて何問題になっているのかをより明らかにした方が良いのでは?」や「製品ができたらどんなことができるようになるのか、説明が少なかった」と言ったものが挙がりました。

 

学生の感想

5stars

答えのない課題に取り組む上で、過去に似たような課題に取り組んだ事例はないかリサーチすることが重要だと感じた。答えがないといえども前提となる知識や経験が必要ではないか。

自分の感覚、発想力だけを頼りに考えることの難しさと楽しさがわかりました

企業の方々がとても親切だった。1つ質問すると100では足りないくらいの言葉を返してくれるほどの方がいらっしゃって、仕事でやることはそれほど自身の頭というより体にしみつくほどに懸命にやるものだときづいた