企業の先端技術を学び、新たな可能性を模索しよう

企業の先端技術を学び、新たな可能性を模索しよう

2015年度-課題1:お菓子の新たな可能性を考える

公開日:2016年3月1日

投稿者:sakaguchi

授業担当

松本悠(東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門)
楠春奈・武田隆太・吉田拓実(東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門 特任研究員、株式会社リバネス)
金丸美樹・松井悠子(森永製菓株式会社 新領域創造事業部)

概要

嗜好品としてのお菓子の、新たな可能性を議論してもらう授業でした。お菓子の、栄養学的な側面は多くの研究者によって研究されていますが、この授業では、お菓子が与えうる、人間関係への影響、または社会への影響、など幅広く考えてもらいました。与えた課題としては、会議やコミュニケーションに、お菓子が及ぼす影響について、仮説を立て、どうすればその仮説を検証できるか、議論してもらいました。

 

授業の流れと様子

morinaga
初めに、森永製菓様から企業紹介と、お菓子における日本の技術としてチョコレート製造工程や結晶の型の科学、開発研究のさまざまな側面としてパッケージや製法やコミュニケーション等についてお話しいただきました。そして、議論の方向性をある程度示した上で、実際にお菓子が議論の中でどのような効果があるか、体験してもらいました。

3つコンセプト(大人っぽいお菓子、子どもっぽいお菓子、パーティー風なお菓子)に従ったお菓子を、森永製菓さんの方で準備していただき、学生にはそれぞれのお菓子グループに分かれてもらいました。慣れてない人間関係の中でお菓子が果たす役割や、ブレインストーミング中のお菓子の効果などを、体験してもらいました。

お菓子を実際に手にしながらのグループワーク

お菓子を実際に手にしながらのグループワーク


議論を進めていく中で、学生たちは、お菓子にはさまざまな効果がありそうだと、多方面からの切り口での意見がだされました。その効果(仮説)を、どのような試行をしたら証明できるか、それは検証可能か、などを話し合ってもらい、できるだけ具体的な方法論をまとめて、発表してもらいました。

 

学生のレポート

Aグループ:
課題「会議中の集中力が持続せずクリエイティブな意見が出にくくなることの解決」

集中力が持続しなくなる、という会議中の問題点に焦点をあて、集中力の持続周期の研究結果や、眠気の解消方法、非日常空間とクリエイティブの関係などを調査し、それらを考慮したお菓子の新しい役割を議論してくれました。集中力を持続させるには、非日常的な色や笑いが影響している心理的要素を根拠の根幹とし、お菓子を通してその非日常な空間を会議室に作れないか、という提案をしてくれました。

Bグループ:課題「会議で発表する際のストレスや緊張を和らげること」

会議の場で発表をする場面で誰もが受けるストレスや緊張を和らげるために、お菓子が果たせる効果を模索してくれました。特に、このグループでは「噛む」という行為にリラックス効果があるという研究結果に焦点をあてて引用し、「噛みにケ―ション」という造語まで作って、噛む活動を適度に取り入れることで、ストレスや緊張をコントロールできる会議のスタイルを提案してくれました。

Cグループ:課題「良い意見が出やすい環境・トリガーは何か」

会議において、良い意見が出やすい環境やトリガー(きっかけ)として、お菓子がその役割になり得るか、議論してくれました。お菓子を食べる時の音(下品なものではなく皆で食べる時の共有できる音や、わざとパチパチと音のするお菓子、袋を空ける音など)で場を和ませる、アイスのような冷気によるアイスブレイク、お菓子を使ったゲームで緊張を解す、など色々な面から考え意見が出やすい環境をお菓子を通じて作り出す方法を考えくれました。

学生の感想

5stars

お菓子の可能性について考えることができ、楽しかった

チームディスカッションで新しい意見や考えを得られた

適宜下さる進行などのサポートも充実していました

nogood

意見をまとめるまで計画的にできなかった

時間が短かった