中央アジア散歩 2011年夏学期 全学自由研究ゼミナール

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タシケントの見どころ&ウズベキスタン観光業考察

公開日:2011年8月14日

投稿者:uzstudent2011s

タシケントはウズベキスタンの首都であり、約220万人以上の人口を擁する大都会である。そこでは中央アジア唯一の地下鉄が走り、高さ375mのテレビ塔を始めとして近代的な大きなビルが立ち並んでいる。古くからオアシス都市として有名で、シルクロードの中継点として、中央アジアの交通の要衝であった。

タシケントの主な見どころの例を挙げる。

◆クカルダシュ・メドレセ

 クカルダシュ・メドレセは、16世紀にタシケントの支配者であったシャイバニ朝のクカルダシュによって建てられた神学校。現在でも神学校として使われている。

◆チョルスー・バザール

地下鉄チョルスー駅を出てすぐの場所にあるバザール。クカルダシュ・メドレセとも近い。タシケントには大きなバザールがいくつかあるが、『古いバザール』と呼ばれるのはチョルスー・バザールだけである。チョルスーは『4本の道で囲まれた場所』 という意味。バザールの中心に青いドームのついた屋内バザールがあるのが特徴になっており、屋外では衣類など日用雑貨が多く、屋内では香辛料やドライフルーツなどが並んでいる。人と物で溢れかえって熱気があり、 日常生活で必要なものは基本的には購入できそうである。

◆ナヴォイ・オペラ・バレエ劇場

ウズベキスタンの首都タシケントの新市街にある1500人収容の劇場。1947年に完成した。外見は淡い茶色で、6つの休憩ロビーは、タシケント、サマルカンド、ブハラ、ホレズム、フェルガナ、テルメズの6地方のスタイルで装飾されており、玄関正面の大きな噴水も特徴的である。この劇場は、実は第二次大戦後にタシケントに連れてこられた日本人抑留者の強制労働によって建てられたもので、1966年の大地震でもびくともせず、日本人の建築技術の高さを物語っている。

◆ウズベキスタン歴史博物館

タシケントの新市街にある博物館。中央アジアでは最も大きい博物館で、石器時代からロシア帝国の征服以降の歴史まで、ウズベキスタンの通史をざっと知ることができる。

最大の見物は、テルメズ近郊のファヤーズ・テペ遺跡から出土した穏やかな顔が印象的なクシャン朝時代の仏像で、他にも二階には石器時代からの鏃や土器、人骨、ゾロアスター教寺院の復元模型、三階にはロシア帝国の征服以後の歴史、独立後の展示品が置かれ、現代の産業についても見ることができる。

ブハラ・タシケントの概要と見どころをまとめたところで、最後に、これまでの調査のまとめとしてウズベキスタン観光の現状と課題について述べたいと思う。

◆現状

これまで挙げてきたような見どころを始めとして、ウズベキスタンにはシルクロードの起点であったこともあり、歴史的建造物など観光資源が豊富にある。

しかし、日本からウズベキスタンへの観光客は、年間約4千人でビジネス客は約2千人であり、上に挙げたような豊富な観光資源と比べればその数は多いとは言えない。

◆課題

上に述べたように、ウズベキスタンには観光資源が豊富なのにも関わらず、観光客数が少ない原因としては、交通の便が良くない(例えばウズベキスタン航空の便は週2便と少ない)ことやホテルの施設が良くないことなどがまず挙げられるが、根本的には、観光業を行う基盤が行政側・民間側にも整っていないことが原因である。例えば交通網の整備が不十分であったり、観光客向けのサービスが整っていないことがある。

さらに日本にもウズベキスタン観光を取り扱っているエージェントが少ないことも大きな問題である。そのため、手軽にウズベキスタンに観光に行くことができないばかりか、そもそもウズベキスタン観光についての情報を得ることすら難しい。

知名度やイメージにおいても重要な問題がある。海外旅行をしようというときに、ウズベキスタン観光をしたいと思う人は相当のマニアでない限り殆ど皆無であろう。そもそもウズベキスタンには観光地として「気軽に」行ける国というイメージはなく、治安やテロの可能性といった点で不安を抱く人も少なくないだろう。

先述したように、ウズベキスタンにはいくつかの世界遺産をはじめとした観光資源が数多くあり、サマルカンドやシルクロードのイメージと合わせて世界でも主要な観光地となる可能性を秘めている。そのためには、行政・民間双方から観光基盤を整理し、インフラの整理や、観光客向けのサービスを充実させることが必須である。また、日本のツアー客を募集するための母体が少ないのは、ウズベキスタン側のエージェントが日本側と契約できないケースが多いことが大きな原因となっていることも多いから、ウズベキスタン側と日本側のエージェントが円滑に交渉できるよう環境を改善することも重要である。

また、観光地としてのウズベキスタンのイメージ向上のためには、広報を充実させると共に、治安改善のための努力を重ね、地道に信頼を得ていくしかない。

(文責:文科2類2年 榊原)

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