中央アジア散歩 2011年夏学期 全学自由研究ゼミナール

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ウズベキスタン大使館訪問記

公開日:2011年8月31日

投稿者:uzstudent2011s

先日、目黒にある在日ウズベキスタン大使館を訪問した。きっかけは、他の大使館がインターン募集していることを知り、中央アジア散歩を履修するにあたってウズベキスタン大使館でインターンを経験してみたいと思ったことだ。ウズベキスタン大使館の公式サイトが見つからなかったためダメ元で履歴書と手紙を郵送してみたところ、岡田先生の元に電話がかかってきたとのこと。直接連絡がくるのをじっと待ち、辛抱が報われたのは数カ月後のことであった。こちらの都合のいい時にいつでも会ってくれる、と非常に親切だが若干曖昧な内容の返事である。これがウズベク流のおおらかさなのであろうか。とにかく突撃訪問してみることにした。

大使館の場所を調べてみると、徒歩圏内に駅がないためバスに乗ってアクセスする。渋谷から約25分の入谷橋で下車すると辺りは静かな住宅街である。しかし、30秒ほど歩いたところの角を曲がると、ウズベキスタンの国旗がはためく大き目な家がそこにはたっていた。旗を発見して思わずにやり。

近づいてみると門にはやはり「ウズベキスタン大使館」と表記されたプレートがあった。インターホンを押して名乗ると奥の扉から案内された。中はオフィスというより、外装通り高級住宅といった感じで、壁にはウズベキスタンの美しい建築や風景の絵画が飾ってある。

ミーティングルームらしき部屋に案内され、しばらくするとメールのやりとりをしていたコシモフさんがいらっしゃった。その後一時間程お話を伺ったが、ウズベキスタンと日本関係に関しする前向きさと熱心さが深く印象に残った。盛んになりつつある日本・ウズベク大学間の交流やビジネスでの協力体制、シルクロードを渡ってウズベキスタンへ伝わった奈良時代の日本の工芸品などを挙げて、両国の国際関係について語られた。我々の中央アジアゼミについても関心を持たれている様子であった。ウズベキスタンでの研修後、ウズベク文化を発信する機会があれば大使館の協力も得られそうだという心強いお言葉もいただいた。ゼミ研修への出発が迫ってきているが、実際にウズベキスタンを自分たちの目で見て、現地の学生と議論を重ねた上で今後我々がどのようなウズベキスタン文化を持ち帰り、発信していけるかを考えていけたらと思う。

追記

大使館で伺った話の中にあった日本とウズベキスタンの関係について少し触れておく。今年の2月にウズベキスタン大統領が来日した際、東京で菅前総理と会談し両国の政治・経済を含む複数の観点における関係の発展について合意に達した。日本とウズベキスタンは1992年に国交を結んだが関係を強化していく余地はまだまだあるように思われる。

ウズベキスタンはウランの埋蔵量が世界10位であり、他にも天然ガス、レアメタル、金などの資源が眠っている。資源に乏しい日本としてはウズベキスタンとの関係を強化することでこれらの確保が望まれる。資源開発を望む日本企業を支援し、貿易の手続きの改善など両国をつなぐビジネス環境を整える必要があるという共通の認識を両政府は持っているようだ。

ウズベキスタン側としては日本企業の技術移転や投資、情報コミュニケーション技術においての協力を望んでいる。また、環境への配慮と安定したエネルギー供給を両立できる代替エネルギー技術への移行もウズベキスタンの課題である。これも日本の技術協力が可能な点である。

資源が乏しいが高い技術力を持つ日本と、資源が豊富だが発展途上のウズベキスタンは経済・技術的に協力していくことで利害が一致するように思われる。経済や政治において国際関係がさらに向上することで両国の文化的交流も進んでいくことが望まれる。

文責:文科二類2年 末松

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