理想の教育棟・ZEBLOG

東京大学駒場キャンパス・理想の教育棟のZEB(Zero Energy Building)広報チームの活動レポートです。

高見氏講演 予習-2(どうして学校でエコが必要なの?)

公開日:2011年10月19日

投稿者:野崎

いきなり 「エコな学校作りましょう!!」と言われても、なかなかみなさん納得できないのではないでしょうか。今回は何故学校という施設でエコが志向されねばならないのか、説明したいと思います。

まず前提として、これからは省エネ志向が本格的に重要視される時代になっていくであろうということを考えていただきたいです。

福島での事故以後心配され続ける電力不足、原子力発電所の安全性、そして巨大地震のリスク、みなさんがあの地震で実感された通り、エネルギー不足というのは案外身近な存在なのです。さらに現在、地球規模で、CO2の大量排出が原因と推定される温暖化が進行しています。これに対して京都議定書が発効されました。 この中で日本は約6%のCO2削減を義務付けられています。経済面でも CO2排出権の取引市場は膨張を続けています。省エネに努めることが自身の生活の保全、直接の金銭的利益につながる時代が来つつあるのです。

次に、学校という施設が膨大なエネルギーを消費している場であるということをご説明しましょう。

文部科学省が発表しているデータによると、学校はあらゆる業種、施設の中でも非常にエネルギー消費の多い場であるということです。今年は夏場にエネルギー不足が予測されたことに対し、文部科学省は各学校施設に節電を呼びかける文書を送付しました。東京大学もその例にもれず、図書館ではクーラーの温度設定が変わり、一部エレベータの停止や、大多数の自動販売機の稼働停止が行われました。

また環境教育の重要性が認知されてきており、鹿児島県の総合教育センターなどがその重要性を認める文書を出しています。「環境についていろいろ教わったけど、それを教えてくれた学校それ自体が環境に対して全く配慮しない姿勢をとっている」では生徒に示しがつきませんよね?身をもって実例を示してやる必要性があるのです。

さて、これらの事実から導きだされる 最初の問いへの答えを示しましょう。

「これから省エネルギー、及びエコが重要となる時代が来る。その時代の中で、膨大なエネルギーが消費される場であり、かつ環境教育において重要な役割を担う学校は、エコ化によってエネルギー消費を抑えるとともに、教育の実例となる必要があるから。(115字)」

これだけ抑えていれば、次回の講演会では満点をとれること請け合いです。 みなさんも、今回の講演に足を運んで、実際に学校施設のエコ化を進める方からお話を聞いてみませんか?

(文責:齋藤)

参考資料

Asahi.com CO2が経済回す 排出権取引、膨らむ市場

http://www.asahi.com/special/070110/TKY200802060288.html

文部科学省

http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/shuppan/07053109/005.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/011/gaiyou/__icsFiles/afieldfile/2011/08/26/1310220_1_1.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1306602.htm

鹿児島県総合教育センター

http://www.edu.pref.kagoshima.jp/infomation/others/kankyou/pdf/zyuyousei.pdf

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