理想の教育棟・ZEBLOG

東京大学駒場キャンパス・理想の教育棟のZEB(Zero Energy Building)広報チームの活動レポートです。

高見氏講演 予習-3(google先生に聞いてみた)

公開日:2011年10月18日

投稿者:野崎

高見氏の講演テーマである「学校施設のエコ化」について、インターネット上で調べて出てきた情報を簡単にまとめました。

エコスクールとは?

まず、google検索で「学校施設 エコ」を調べてみたところ、「エコスクール」という言葉が出てきました。
エコスクールとは言葉の通り環境に配慮した学校施設や、環境に配慮した活動に取り組む学校などを指します。

そして、エコスクールを全国に浸透させるために文科省・農水省・経産省および環境省が連携して行っているのが、「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進に関するパイロットモデル事業」です。

先駆的な取り組みを行う公立学校に対して国庫補助を行うことで、施設整備を進め、同時に環境教育を推進することを目指しています。平成9年から現在までに、計1000校以上の学校がエコスクールに認定されています。

エコスクール整備のポイントは以下の3つです。

施設面・・・やさしく造る

  • 学習空間、生活空間として健康で快適である。
  • 周辺環境と調和している。
  • 環境への負荷を低減させる設計・建設とする。

運営面・・・賢く・永く使う

  • 耐久性やフレキシビリティに配慮する。
  • 自然エネルギーを有効活用する。
  • 無駄なく、効率よく使う。

教育面・・・学習に資する

  • 環境教育にも活用する。

【出典】文部科学省HP「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進」

エコ大学ランキングとは?

続いて、「大学 エコ」でググってみると、「エコ大学ランキング」という耳慣れない言葉が現れました。
これは、2008年に結成されたCCC(Campus Climate Challenge )実行委員会による、全国の大学へのアンケート調査から作成されたランキングです。

CCC実行委員会というのは、エコ・リーグ(全国青年環境連盟)を中心に大学の環境改善活動に関心のある複数の大学の環境サークル・環境ゼミ等のグループが母体となって結成されたかなり若い団体です。
第3 回目の調査となる本年度は、全国大学環境対策一斉調査として全国約750校全てを対象に温暖化・省エネ対策実施状況を調査しています。(調査票はHPで見る事ができます)
大学内で行われている対策の情報を社会に発信し、大学間で共有することを目的としているようです。

(ちなみに、昨年の第2回調査の結果を見てみると、東京大学は調査票に回答していないのかランキングに参加していないことになっていました。第3回調査の締め切りは過ぎていますが、これも回答していない可能性が高そうです。そもそもそれに答える担当者とは誰なのかが不明であり、謎は深まります。)

【出典】エコ大学ランキングHP

このように、「学校施設のエコ化」は、少し調べただけでも上から・下からの取組みが見えてきます。
木曜日の講演では、実際に学校のエコ化に取り組む高見氏からどのようなお話が聞けるのか、非常に楽しみですね!

(文責:野崎)

高見氏講演・予習-1(学校の災害対策)

公開日:2011年10月18日

投稿者:野崎

学校施設の「エコ化」とは少しズレるかもしれませんが、今回は現在学校施設に関して無視できない重要な問題になっている、災害に向けた安全性の確保について文科省の資料を簡単にまとめました。

今年に起きた東日本大震災において耐震化されていない学校施設では構造体に大きな被害が発生しました。
ちなみに公立小中学校の非耐震化率は約27%(22年4月の時点で)、国立大学の保有施設の約38%が耐震性に問題を抱えているということです。

今回の地震による揺れは、ほとんどの地域では想定しうる最大のレベルに達しておらず、今後同じ程度の被害で収まるとは限らないため、施設の耐震化は急務と言えます。
また今回は、柱、梁、壁、床等の構造設計の主な対象の構造体の損傷が軽い場合でも、それら以外の天井材、内・外装材、照明器具、設備機器、窓ガラスなどの、いわゆる非構造部材の被害が多数発生しています。

天井高の高い屋内運動場において天井材や照明器具が落下すれば構造体には問題がなくとも大惨事となるおそれがあります。そしてそこは震災後に避難場所として活用することもできなくなってしまうのです。
災では非構造部材の損傷による生徒の事故が報告されており、その耐震化の重要性が再認識され、個々の設備のための具体的な点検・対策の方法が検討・実施されています。

今回の震災で壊滅的な被害をもたらした津波への対策については、

  • 津波が到達しない安全な高台での建設
  • またそのような安全な場所への避難経路の整備
  • 屋上の緊急的避難場所としての整備
  • 上層階が安全で緊急的な避難場所となるよう建物を高層化

などが考えられています。高層化については他の公共施設との複合化も視野にいれ、もちろんより構造面に配慮して考えられているということです。

ところで今、複合化という言葉を出しましたが、今回の震災では地域における学校の重要性が再認識され、学校施設にそもそも教育機能だけでなく、避難場所として十分な諸機能を備えておくという考えが必要になってきました。

そこで地域拠点としての学校を活用するため、例えば地域防災の司令塔機能を備える複合避難施設として、学校と官署や社会教育施設等を集約した複合施設や、バリアフリーや医療・介護機能を備えた災害弱者用避難エリアとして、学校と公園や福祉施設等を整備したものなど、様々な計画・設計のアイデアが練られています。
このように学校施設に関する安全性の議論は、単なる施設それ自体の防災機能の強化だけでなく、学校という空間の概念の拡張にまでわたっています。

20日の講演では学校施設について、「エコ化」とともに、こうして今変わりつつある安全性の確保に関する話も高見氏にうかがえればと思います。

(文責:藤縄)