東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属
教養教育高度化機構初年次教育部門
PAST CLASSES 2014
2014 夏学期
グローバル時代をどう生きるか:プロフェッショナルが語る新たな可能性
テーマ講義
担当教員:松田 恭幸
授業担当:江川雅子(東京大学理事)・松田恭幸・岡田晃枝
「グローバルに活躍することを考えない者は、日本の中ですら活躍できない。今はそういう時代だ。」「ごく近い将来、日本の中で就職するにしても、そのポストを外国人を含めた候補者で競うような状況が一般的になるだろう。」これらは昨年度の本授業で講演者が発した言葉である。
東大に入学してきた皆には、グローバル時代を生き抜くのに必要な力を東大に在籍している間に身につけてほしい。そして、「日本」という枠にとらわれず、できるだけ高く、大きく、広いステージにチャレンジしてほしい。そのために、世界を相手に活躍している各界のプロフェッショナルを迎え、キャリアについて、自分について語ってもらうテーマ講義を開講する。国際機関の職員、世界的な企業のリーダー、海外で活躍する研究者など多彩な講 演者を予定している。海外での仕事を目指している学生だけでなく、自分の将来像を模索中の学生にもぜひ履修してもらいたい。将来の選択肢を広げるヒントが必ず見つかるはずだ。
- 講義内容はこちらのページをご覧下さい。
Key words
グローバル、キャリア、国際機関、国際NGO、留学
平和のために東大生ができること
―冷戦を知らない世代が作る軍縮教育モデル
全学自由研究ゼミナール
担当教員:岡田 晃枝
戦争を知らないどころか、核戦争に巻き込まれる危険が真剣に議論されていた冷戦すら過去のものとなってから生まれた世代は、戦争体験や被爆証言をどのように受け継いでゆけばよいのか。特定の国民・民族・個人の歴史証言を記録する意味とは何か。そしてそれは世界の平和に寄与するものたりえるのか。このゼミでは軍縮と平和について、感情論に陥らず、イデオロギー色をできるだけ排して、学び合い、語り合う。
今学期はとくに、「民主主義と平和」を中心テーマとして取り上げる。授業を通じての学びの他、学んだことを活かして授業外に向けたワークショップやイベントの企画・実施も行う。また、履修生と相談の上、夏休みにフィールドワークを行う予定である。
Key words
軍縮、軍備管理、戦争と平和、平和構築、国際貢献、安全保障
駒場で「食」を考える
全学自由研究ゼミナール
担当教員:渡邊 雄一郎・岡田 晃枝
「食べること」は「生きること」であり、「食」は生活の根幹である。
学びの対象をより身近なものとして認識するために、このゼミではその「食」を採り上げる。身近な「食」を入り口としてさまざまな学問領域を探究すると同時に、国内・国際社会で生じているさまざまな「食」に関する問題を、身近な「食」を通してともに考える。
今学期は、先学期に続いて、東日本大震災からの、農業や水産業等の「食」に関わる分野の復興をテーマとする。ビジネスコンテストやスタディツアー など、ゼミ外の学生を巻き込めるような行事を企画し、その開催を目指す。
Key words
震災復興、農業、漁業、ビジネスコンテスト
基礎科学と社会政策:少子化対策をめぐる議論と取り組み
全学自由研究ゼミナール
担当教員:齋藤慈子・坂口菊恵
幼い子どもの愛着形成の対象は母親であり、また発達初期の愛着の質が生涯を通じて人間形成に影響をおよぼすという、児童精神医学者ボウルビィらの「愛着理論」は、「3歳までは母の手で」という言い回しに見られるように広く社会に浸透し、子どもを保育施設や親族に預けて働きに出る母親の足を阻んできた。母親のみを乳幼児保育ひいては次世代の人間形成の責任主体とするとらえ方が不適当であることは、歴史的概観やその後の心理学・生物学の基礎研究により示されてきた。しかし愛着理論は人々ひとびとの持つ素朴理論と直結してイデオロギー的に利用されがちであり、冷静な議論の対象とされにくい。
本ゼミでは、乳幼児の発達や養育のありかたをめぐる研究成果の基礎を学び、さらに基礎科学人間科学の研究成果が日常的な意思決定や社会政策に対してどのような影響を与えるかについて議論する。ゲストスピーカーとして、研究者のほか官・民・財界での子育て家庭の就労支援や保育支援事業の現状を知る第一人者をまねき意見交換を行う。
学術的知見をもとに、社会の問題について考え行動できる人材を養成することを目標とする。
Key words
愛着理論、アロマザリング、育児不安、ワークライフバランス、子育て支援、少子化対策
ソーシャルビジネスの為のプロジェクトマネジメント
―創造的協働に向けたチームビルディング ―
全学体験ゼミナール
担当教員:坂口菊恵
目標
本ゼミでは「社会の現在と未来」を縦断的に考えて実際に行動に移すことを実践してもらう。大学の授業では“社会のこれまで”を考えることが多いが、その部分では本授業は通常の授業とは異なるかもしれない。21世紀のこの先を担う学生諸君が、持てるアイディアを実際に行動に移すときに必要な視点・スキル・ 仲間などを得られることを目標とする。
概要
近年、世界的に社会問題解決型の事業(ソーシャルビジネス)の隆盛が言われる。これらの事業は、これまで市場原理では回収できず社会問題化した事象や行政課題を、新しいアイデアや技術、あるいはマネタイズの仕方でビジネスとして解決していくものである。日本でも「新しい公共」の流れや、寄付税制の変化、事業型NPOの台頭などもあり、ソーシャルビジネスの流行は見てとれる。これらはSNS等のソーシャルメディアの流行とも相まって、大学生や高校生など若い世代が主体的に事業を起こしていくことも多い。また社会人が仕事をしながら関わっていくことも多いため、「新しい働き方」としても注目されている。
本ゼミは学生にソーシャルビジネスを実践するために必要な「社会問題の取り出し方」「クリエイティブなチームビルディング」「共感を得ていくマーケティング」などを学んでもらうことを目的としている。また実際のソーシャルビジネスを考えていく過程で、政治・ビジネスなどの方面に応用可能な「ディスカッション」や「プレゼンテーション」スキルを習得させる。
Key words
ソーシャルビジネス、社会起業、創造性、公共と民間、チームビルディング、新しい働き方
2014 冬学期
平和のために東大生ができること
―冷戦を知らない世代が作る軍縮教育モデル
全学自由研究ゼミナール
担当教員:岡田 晃枝
戦争を知らないどころか、核戦争に巻き込まれる危険が真剣に議論されていた冷戦すら過去のものとなってから生まれた世代は、戦争体験や被爆証言をどのように受け継いでゆけばよいのか。特定の国民・民族・個人の歴史証言を記録する意味とは何か。そしてそれは世界の平和に寄与するものたりえるのか。このゼミでは軍縮と平和について、感情論に陥らず、イデオロギー色をできるだけ排して、学び合い、語り合う。
今学期はとくに、安全保障の経済的側面を中心テーマとして取り上げる。授業を通じての学びの他、学んだことを活かして授業外に向けたワークショップやイベントの企画・実施も行う。また、春休みにフィールドワークを行う予定である。
Key words
軍縮、軍備管理、戦争と平和、平和構築、国際貢献、安全保障
先輩とともに日本の将来について議論する
全学自由研究ゼミナール
担当教員:岡田 晃枝
社会で活躍している卒業生を招き、さまざまな角度から、真剣に日本の将来について学び、議論するゼミ。
財務省の協力を得て、今学期はとくに税制に焦点を当てる。財務省含め学内外から多彩なゲストスピーカーを招いて、学術的/実務的な関心に応えられるようにするとともに、複数回のフィールドワークを行い、財務省はじめ税に関わる仕事が行われている現場を見学・体験してもらう予定である。
Key words
財務省、税制、社会保障、財政、消費税、法人税
駒場で「食」を考える
全学自由研究ゼミナール
担当教員:渡邊 雄一郎・岡田 晃枝
「食べること」は「生きること」であり、「食」は生活の根幹である。
学びの対象をより身近なものとして認識するために、このゼミではその「食」を採り上げる。身近な「食」を入り口としてさまざまな学問領域を探究すると同時に、国内・国際社会で生じているさまざまな「食」に関する問題を、身近な「食」を通してともに考える。
今学期は、先学期に続いて、農業や水産業等「食」に関わる分野の、東日本大震災からの復興をテーマとする。とくに農産物、水産物の放射線量の測定技術と、農協や漁協等現場での測定の現実について知ることを目的とする。冬休みか春休みに被災地でフィールドワークを行うことを予定している。
Key words
震災復興、農業、漁業、放射能、放射線量
サステイナビリティ・オランダゼミ:セクシュアルマイノリティの社会参画
全学自由研究ゼミナール
担当教員:坂口菊恵・石丸 径一郎
近年、メディアでは異性装の「オネエタレント」が人気を博し、海外における同性婚の話題などセクシュアルマイノリティをめぐる社会状況が一般のニュースに上る機会も増えている。しかし人口の約5%を占めるとされるLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)などセクシュアルマイノリティが、周囲の無理解や制度上の不備に起因する葛藤に直面せずに「普通に」自らの能力を発揮できる状況にはほど遠い。
世界的には、性別・年齢・民族やセクシュアリティの如何にかかわらずひとびとが活躍し、自らの幸せを追求できる仕組みづくりが目指されてきている。生産性や創造性を向上させ、重要な顧客層取り込みにつながるとしてダイバーシティ・インクルージョンに積極的に取り組む有名企業も増えている。本ゼミではNPO法人虹色ダイバーシティ代表、村木真紀氏をはじめ国内外でセクシュアルマイノリティの社会参画を推進するために尽力している人々や組織と交流し、また社会の中で彼らの存在がどのように可視化されているかフィールドワークを行う。
中心的なトピックとしては下記のものを想定している。
2. セクシュアルマイノリティが日常生活や家族を持とうとする時に直面する問題と解決策について、取り組みを行っている方に話をうかがう。
3. 「非典型的な」性的アイデンティティや表現の方向性には様々なものがあること、それらが社会の中にどのように溶け込んでいるかを街に出て見学する。
Key words
ダイバーシティ、LGBT、性教育、同性婚、セクシュアルマイノリティの家族問題、オランダ
2020年、人口減少社会の生活環境デザイン:
若者と企業の本音 フィールドワーク講座
全学体験ゼミナール
担当教員:坂口菊恵
東京オリンピックが開催される2020年、皆さんは何をしているでしょうか?仕事が軌道にのって来た頃でしょうか?“結婚”の二文字が気になっている頃でしょうか?子どもが生まれて親になったという人もいるかもしれません。人口減少社会、女性の活躍が成長戦略の中核、イクメン、合計特殊出生率の数値目標など、いま社会で言われていることは、他人ごとではなく、皆さんの未来について語られていることです。人口減少社会を迎え、多様な価値観や政策、制度が混在する現代、未来を自分たちでデザインするために、自分たちの考えを形にして、情報発信するプログラムです。
この授業について
メディア・企業・自治体とのディスカッションやフィールドワーク調査、生活者データの分析を通じて近未来の生活環境デザインを提言するグループワークを行います。内閣府男女共同参画局、リクルート、読売新聞社、博報堂DYなどの実務家による講義を予定しており、まとめた提言を内閣府に対してプレゼンテーションすることを目標とします。
行政の政策立案、企業における企画提言、人口減少社会における社会保障や労働力確保のあり方等の諸問題について関心を有する学生の参加を求めます。
Key words
ダイバーシティデザイン、人口減少社会、ワークライフバランス
ソーシャルビジネスの為のプロジェクトマネジメント
―創造的協働に向けたチームビルディング ―
全学体験ゼミナール
担当教員:坂口菊恵
目標
本ゼミでは「社会の現在と未来」を縦断的に考えて実際に行動に移すことを実践してもらう。大学の授業では“社会のこれまで”を考えることが多いが、その部分では本授業は通常の授業とは異なるかもしれない。21世紀のこの先を担う学生諸君が、持てるアイディアを実際に行動に移すときに必要な視点・スキル・ 仲間などを得られることを目標とする。また多くの社会課題を事業を通して解決していく為のトレーニングとしても機能させたいと考えている。
概要
近年、世界的に社会問題解決型の事業(ソーシャルビジネス)の隆盛が言われる。これらの事業は、これまで市場原理では回収できず社会問題化した事象や行政課題を、新しいアイデアや技術、あるいはマネタイズの仕方でビジネスとして解決していくものである。日本でも「新しい公共」の流れや、寄付税制の変化、事業型NPOの台頭などもあり、ソーシャルビジネスの流行は見てとれる。これらはSNS等のソーシャルメディアの流行とも相まって、大学生や高校生など若い世代が主体的に事業を起こしていくことも多い。また社会人が仕事をしながら関わっていくことも多いため、「新しい働き方」としても注目されている。
本ゼミは学生にソーシャルビジネスを実践するために必要な「社会問題の取り出し方」「クリエイティブなチームビルディング」「課題解決型の事業の練り込み」などを学んでもらうことを目的としている。また実際のソーシャルビジネスを考えていく過程で、政治・ビジネスなどの方面に応用可能な「ディスカッション」や「プレゼンテーション」スキルを習得させる。
Key words
ソーシャルビジネス、社会起業、創造性、公共と民間、チームビルディング、新しい働き方