11月19日・駒場というところ
公開日:2010/11/19
投稿者:Yasutaka Eida
駒場キャンパスの銀杏並木も色づいてきました。年に一度の駒場キャンパスの一大イベント「駒場祭」も2日後に控えています。
駒場祭で自分が受け持つ企画がある学生も多いのでしょう。キャンパスの空気も心なしかそわそわしています。
今日は、理想の教育棟が建つ東京大学駒場キャンパスを少しだけ紹介します!
駒場キャンパスは、東京大学に入学した1,2年生全員、そして教養学部と理学部数学科に進学した3,4年生と大学院生が通っています。
留学生の数も多く、キャンパスのあちらこちらで英語や中国語、韓国語など、いろんな言語が飛び交っているのに出くわします。
そんな駒場のメインストリートは、生協があるコミュニケーションプラザから東西に一直線に伸びるこの銀杏並木です。見た目は実に美しいのですが、銀杏のにおいという現実に直面した学生からは「臭い」という感想が少なからず漏れてきます(笑)
理想の教育棟が建つ予定の敷地は、この銀杏並木の東端(コミュニケーションプラザの隣)に位置しており、正門からだと多少距離があります。
しかし、先日から建設現場に高いクレーンが入っているおかげで、正門からそのクレーンの先端を見ることが出来るようになりました。
ということで、正門と理想の教育棟の位置関係がよくわかると思いますので、今日は正門の写真を載せておきますね! (右写真)
(写真と文・栄田康孝)
11月15日・冷たい雨の日
公開日:2010/11/15
投稿者:Yasutaka Eida
11月も半ば。だんだんと気温が下がり、街にはクリスマスイルミネーションも輝き始める時期です!
今回も前回に引き続き、建設現場南側からの撮影です。
今日は夕方から雨になりました。
撮影したのは午後4時頃。降り始めたばかりだったので、作業員の皆さんもレインコートを着ていません。
工事終了時間は午後5時。このまま作業を続けるか、雨具を着用するか悩ましいところだったかもしれませんね。
日が暮れるに従って見えにくくなる足元。そして、雨で滑りやすくなる手元。こういった環境が変化してすぐの時期は普段より事故が起こりやすいと言われています。電動のこぎりを使って板を切る作業員さんの手つきも慎重です。
理想の教育棟プロジェクトで中心的に活動しておられる、教養学部の永田敬先生のインタビューが行われました。理想の教育棟が目指す授業の姿など、具体的なお話を聞くことができ、楽しいひとときになりました。
インタビューの模様は、まもなく公開される理想の教育棟の公式ホームページに掲載される見込みです。お楽しみに!
(写真と文・栄田康孝)
【潜入取材】工事現場をのぞいてみよう!
公開日:2010/11/12
投稿者:Yasutaka Eida
突然、理想の教育棟の工事現場へ入れていただけることになりました。
教養学部の真船先生と僕を、建物を設計した筑紫先生と安藤建設の担当の方がお二人で案内してくださいました。
工事現場の入り口でヘルメットを装着!
いよいよここ(写真1枚目)から中に入ります。
まずご紹介するのは、理想の教育棟の外観で一番目立つ「オープンスペース」部分の建設現場です!(写真2枚目)
この場所はガラス張りになる予定です。そしてその内部には、世界的な照明デザイナーの石井リーサ明理さんが設計した「光湧」と呼ばれる照明が取り付けられます。この照明によって、地下1階から地上2階部分に至るこの「オープンスペース」が美しい光に包まれるはずです。
どんな雰囲気になるのか、まだイメージは湧きませんが、とっても楽しみです!
そして、地下1階からそびえ立つ「オープンスペース」の床面へ降りていきます。
建築用語ではこのような外に面した地下部分をドライエリアと呼びます。
このドライエリアを中心に広がる地下1階には、200人以上を収容する「レクチャーホール」、まだテナントが決まっていない「カフェテリア」、巨大液晶テレビを備えた「オープンスペースアリーナ」といった施設が設置されます。
個人的には、カフェテリアのテナントがどこに決まるか、とても興味があります(笑)
さて、次は2階に上がってみます。
ここは、理想の教育棟の南側、8号館に面した部分で、設計図上では「スタジオ・中」と呼ばれています。(写真3枚目)
17号館に駒場アクティブラーニングスタジオ(通称KALS)という教室があるのをご存じの方もいると思いますが、2階から上の教室はすべてKALSに準じた教室になる予定です。
アクティブラーニングは、理想の教育棟計画でも非常に重要な一角を占めます。まさにこの場所で、近い将来「理想の教養教育」が行われることになります! ・・・僕はもう本郷に進学してしまうので、ここを使う機会がないのが残念!
さらに階段を上がり3階です。学生会館に面した北側の広い空間を撮影しています。(写真4枚目) ここは「スタジオ・大」と呼ばれており、大きめのアクティブラーニングスタジオになります。
この上の4階と5階にも、2室ずつアクティブラーニングスタジオが入ります。KALSをさらに発展させた、快適な学習環境の教室が、駒場に一気に8教室も増えることになります! 楽しみですね!
そのまま一番まで階段を上って、屋上にやってきました。しかし、この日はまだ屋上の床が出来ておらず、入れるのは階段部分までです。
北側の階段の頂上から駒場キャンパスの1号館方面を撮影しました。(写真5枚目) この場所から南側を撮影できるのも建設中の今だけです。夕日に煙る駒場キャンパスが美しく映えていました。
今回、現場内に入れて頂いて、足場が不安定だったり、鉄筋むき出しで歩きにくかったりする場所がたくさんあり、そんな中で毎日工事をされている皆さんの苦労が身にしみてわかりました。最後まで安全に工事が進むことを祈って、現場潜入レポートを終えたいと思います!
お付き合いいただきありがとうございました!
(写真と文・栄田康孝)
11月12日・チェック、チェック、チェック!
公開日:2010/11/12
投稿者:Yasutaka Eida
今日は、図面と実物を照らし合わせながら建物をチェックしている人を見かけました。
一人がチェック箇所を確認して写真を撮り、もう一人がそれを紙に記録しています。なんだかお二人に不思議な連帯感が漂っていて、撮影しながらついつい「いいなぁ~」と唸ってしまいます。
何かをチェックするとき、なにもかも一人で作業をせず、このように複数人で確認することは非常に重要です。気づかないうちに思わぬミスを起こしていることがあるからです。二人でやれば、ダブルチェックになり、ミスや必要な手順の欠落を防ぐことができます。
現場の作業員の方と話しながら立ち止まって熱心にチェックをされている様子を見ていると、来年からこの施設を利用する学生としても「この人達に任せておけば大丈夫!」という安心感が沸いてきます!
さて・・・話が変わりますが、今回から建設現場全景の撮影場所を変更しました!
これまでは9号館の屋上(現場の西側)から撮影していたのですが、今後は建物の正面がよく見えるように、8号館側(南側)からの撮影となります。
以前の撮影場所との位置関係は右の写真をクリックしてご確認ください!
(写真と文・栄田康孝)
11月8日・火花散る工事現場
公開日:2010/11/08
投稿者:Yasutaka Eida
鉄は、ただ組み上げるだけでは互いに接着しません。パーツを組んだら、それを固定する必要があります。その方法の一つに溶接があります。
この日は夕暮れ時の撮影だったのですが、暗がりの中、あちこちで溶接の火花が鮮やかでした。
かなり離れた位置から見てもまぶしいくらいで、念のためカメラには紫外線を遮断するフィルターをつけて撮影に臨みました。
溶接が不適切だと接合部が脆くなり、時には何年も経ってから破壊に至ることもあります。いま現場で行われているこの溶接も、安全のためには妥協が許されない神経の張り詰める作業のはずです。みなさん、溶接しては確認、を繰り返しておられました。
いくらテクノロジーが発達したとはいえ、一つ一つが一品ものであるビルの建設では、自動車の生産のように溶接ロボットなどを使うことはできません。
こうした地道な作業を見ていると、どんなハイテクなコンクリートの建物でも、気の遠くなるような手作業の結果として出来上がるんだなぁ、としみじみ感じます。
(写真と文・栄田康孝)
11月5日・もうあんなところ
公開日:2010/11/05
投稿者:Yasutaka Eida
いつもの撮影場所、9号館の屋上に上って、異変に気づきました。
いつもなら、建設現場に一番近い場所に行かないと、鉄骨の一つも見えなかったのです。
それが、今日は・・・!!
ついに屋上から見上げる位置まで建設が進んでいます!
相変わらず高所で平然とされている鳶職の皆さん。自分があの場所に立ったら、いくら命綱があろうと足がすくんで一歩も動けない気が・・・。
そして、神業のクレーンも健在です。クレーンで吊っているあの鉄骨って1本で何トンくらいあるんでしょうか? しかも、それを一気に2つ吊るって・・・!
クレーンを操作する人はもちろん、あの鉄骨をバランス崩さないようにクレーンの先にセットする人もスゴイ! 物理は頭ではわかっても、風でバランス崩したりしないのかな・・・とか、何も知らずに見ているこっちはいつもハラハラものです。
さあ、この高さまで組み上がって、撮影する僕の方も別の意味で問題が。これ以上建設が進むと、もう9号館の屋上からは全体を望めなくなります。困った・・・。どこか別の場所を探さなきゃ。
(写真と文・栄田康孝)
10月29日・計測の力
公開日:2010/10/29
投稿者:Yasutaka Eida
今から4000年以上前、エジプトでクフ王のピラミッドが建設されました。
このクフ王のピラミッド、現代の技術にも引けをとらないほど非常に精密に建造されていると言われています。その後崩れることなく3500年以上にわたって世界で一番高い建造物であり続けられたのは、非常に高度な計測技術を駆使して建造されたからに他ならないでしょう。
建築において、計測することの大切さは、もちろん今も変わりません。特に、日本は地震大国ですから、抜け目なく精密で正確な測定を行いつつ建設しなければなりません。
計測機器を持った人を現場の中で時々見かけたのですが、クレーンを動かしたり骨組みをくんだりする仕事よりはずいぶん地味に映ります。しかし、設計図通りにモノができあがって初めて、事前の構造計算やシミュレーションは意味を持つのです。建物の安全性を保証するためになくてはならない重要な仕事です。
現代建築は、まさに熟練の技巧と最新のテクノロジーの融合と言えます。こんなに身近なところで、我々が知らない間に様々な技術が使われているんだな、と思いました。
さて、全体の骨組みも、たった4日でこんなにくみあがっています!(右写真)
相変わらず頭上ではとび職の方が慎重に、しかし手際よく鉄骨をはめ込んでいきます。もうすぐ、僕が撮影している9号館の高さを超えてしまうことでしょう。
僕は見てるだけですけど、なんだか感慨深いです(笑)
(写真と文・栄田康孝)
10月25日・建ち始めました!
公開日:2010/10/25
投稿者:Yasutaka Eida
きました! ついに来ました!
敷地の一番北西側のほうから、地上部分の鉄骨が建ち始めました!
クレーンで重そうな鉄骨がつり上げられ、とび職の方の手で次々に組み上げられていきます。張り巡らされたロープに命綱を掛け、高所をものともせず淡々と作業を進めておられます。
そして、クレーンもドンピシャの場所にあっさりと鉄骨を下ろしていきます。見てるこちらが拍子抜けするくらいに軽々と組み上がっていくのですが、もちろん素人にはできない芸当です。本当の「阿吽の呼吸」とはこんな仕事を言うんでしょうね。鮮やかすぎます!
そして、前回撮影したときに注がれていたコンクリートはすっかり固まり、綺麗な白い地面ができています。
理想の教育棟は地下があるので、おそらくこのコンクリートの下は空洞になっているはずです。(僕らはまだ中に入ることはできないので直接見ることはできません。)このコンクリートの下がどのような空間になっているのか、設計に携わった方々のインタビューからで少しずつ明かされていくことでしょう。どうぞ楽しみにお待ちください!
(写真と文・栄田康孝)