2014年夏学期 テーマ講義:東京大学教養学部

安達保(4月14日)

Digital Photo Tamotsu Adachi 2012syou

安達 保(あだち・たもつ)

カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージングディレクター・日本共同代表

 

東京大学工学部卒業/米マサチューセッツ工科大学にてMBA取得。

三菱商事株式会社に10年間勤務。在籍中、1984年から1987年の3年間は第二電電(現KDDI)に出向。同社の立ち上げと長距離電話サービスの開始に貢献。

1988年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1995年には同社パートナーに就任し、主に製造業、ハイテク企業の製品市場戦略、企業ビジョンの策定に従事。

1997年にGEキャピタル・ジャパンに遺跡。東邦生命、日本リースの買収等を担当した後、日本リースオート(現日本GE株式会社 GEキャピタル)代表取締役社長に就任。

2003年にカーライル・グループに参画、日本代表に就任。同社の日本における事業拡大を主導。現在、株式会社ベネッセホールディングス及びヤマハ発動機株式会社の非常勤取締役。2009年1月から2011年6月まで日本プライベート・エクイティ協会の会長を務める。現在副会長。

(2014年2月時点)

講演要旨

4月14日に、テーマ講義「グローバル時代をどう生きるか」の第1回講演が行われました。講演者は、カーライル・ジャパンの日本共同代表を務める、安達保さんです。タイトルは「日本の枠を取り払おう!~私のグローバル企業での経験」でした。
■安達さんのあゆみとグローバル企業
東大工学部機械工学科卒の安達さんは、1977年に三菱商事へ入社しました。工学部卒の学生は国内メーカーに就職するのが大半だった当時、異例の就職先だったと言います。在学中に参加したスウェーデンの製鉄会社における研修の経験が、グローバルに働きたいという思いを強めたそうです。割り当てられた国内営業業務に失望した安達さんは留学によるキャリアチェンジを決意し、MITにてMBAを取得なされました。帰国後、DDIへの出向、マッキンゼーへの転職を経てGEキャピタルへ入社され、買収先企業(日本リースオート)の社長を務められました。その中で日米混成チームを編成し、多様性のあるチームのマネジメントに尽力なさいました。2003年にカーライルに参画し、日本代表に就任しました。日本企業を再成長させるにあたって、グローバル化は鍵となったと言います。グローバルに通用する経営手腕を導入、海外マーケットを開拓し、そして国際性に富む人材の強みを発揮することで、数々の企業を世界で活躍できるような組織に生まれ変わらせてきました。この仕事を通じ、ご自身も日本人から世界人に脱皮したそうです。
■質疑応答
授業時間を超えて希望者による質疑応答の時間が設けられました。人生の目標が何かという問いに対しては、10年ごとに立て直しており、現在の目標は「日本企業を良くすること」だとお答えくださいました。日本企業は勤勉な従業員に強みがあるが経営者がプロでないことが問題であり、その点を改善したいとのことでした。

(担当:文科二類2年 正田瑞貴)

講義の様子

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