2014年夏学期 テーマ講義:東京大学教養学部

2012渋谷健司(5月14日)

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Shibuya, Kenji

大学院医学系研究科国際保健政策学教室 教授
世界保健機関(WHO)保健政策エビデンス及び保健統計・評価コーディネーター

学歴

平成 3年3月    東京大学医学部医学科卒
平成11年6月    ハーバード大学公衆衛生大学院 公衆衛生学博士課程修了

職歴
平成3年6月    帝京大学附属市原病院麻酔科医員(研修医)
同 5年4月    東京大学医学部附属病院医師(産婦人科)
同8月    帝京大学医学部附属病院医師(産婦人科)
同9月    Research Fellow, Burden of Disease Unit, Harvard Center for Population and Development Studies
同11年9月    帝京大学医学部助手
同12年3月    帝京大学医学部講師
同13年8月    Senior Scientist, Global Programme on Evidence for Health Policy, Evidence and Information for Policy, World Health Organization
同16年2月    Coordinator, Health Statistics and Evidence, Measurement and Health Information Systems, Evidence and Information for Policy, World Health Organization
同20年10月    東京大学医学系研究科国際保健政策学教授
現在にいたる

専門分野
保健政策、経済学、人口学、統計学、疫学

 

Kenji Shibuya, MD, DrPH

Professor and Chair, Department of Global Health Policy,

Graduate School of Medicine, The University of Tokyo

Dr. Shibuya is a professor of Global Health Policy at the University of Tokyo’s Graduate School of Medicine. He obtained his MD at the University of Tokyo in 1991 and started his career at Teikyo University‘s Ichihara Hospital in Chiba, Japan. He has been a research fellow at the Harvard Center for Population and Development Studies and worked in Cambodia and Rwanda. In 1999, Dr. Shibuya earned a doctorate of public health in international health economics at Harvard University. After teaching at Teikyo University in Tokyo, he joined the WHO’s Global Programme on Evidence for Health Policy in 2001 and was been chief for the Health Statistics and Evidence Unit from 2005 until 2008. Dr. Shibuya was been a regular contributor to the World Health Reports and responsible for the World Health Statistics publications at WHO. He has published widely on mortality, causes of death, burden of disease, risk factors, cost-effectiveness, priority settings, and health system performance assessment. He spearheaded the future strategic directions of the Japanese global health policy agenda after the Hokkaido Toyako G8 Summit in 2008. He has led the Lancet Series on Japan published in 2011 in an effort to jump start the debates on Japanese domestic and global health policy reform. He is currently a core member of the Global Burden of Disease 2005, an advisory committee member for the WHO health statistics, and an organizing committee member for several Lancet series.

講演要旨

渋谷先生は、グローバル時代を生き抜くのに最も必要なことを、私たちに教えてくださいました。それは、「何でもやってみる」というチャレンジの精神であり、それを確固たるものにする人格、つまりは教養です。
 渋谷先生は、ご自身の来歴を語ることで、私たちにその重要性を教えてくださいました。 学生時代は、将来の進路に迷いながらも一人旅を通して、「無関心」であることへの恐さを実感なさいました。卒業後は、ザイール(現コンゴ民主共和国)の難民キャンプへと向かい、一人の難民女性と出会われます。この女性が、今回の講義にもいらっしゃり、人間にとって最も大切なものは出会いだと私たちに教えてくださった、マリー•ルイズさんです。
 その後、渋谷先生は、世界銀行が出版した『1993年度版•世界開発報告:健康への投資』という一冊に出会ったことで人生を変えられるような感銘を受け、その著者に会いにアメリカに向かわれます。そして、留学先のハーバードの大学院では、自らの教養のなさを実感し、PPE(Philosophy,politics,economy)を徹底的に身につける努力をなさいました。
 大学院修了後は上司の誘いからWHOで働くことになり、政策決定のチーフをなさいました。そこでは、若い自分の意見が聞き入れられ、政策の立案から実施までに関われるため、非常にやりがいを感じたといいます。
 WHOを辞めた後に、先生が選ばれた道は、日本の変革のサポートをするというものでした。そして、現在、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策教室教授をなさっています。
 質疑応答では、人との出会いを積極的に得るために必要なことを3Ps、つまりは、Passion,Persistence,Personalityとしてあらわされました。そして現代は、インターネットが世界中に通じ、多くのチャンスや選択肢があるからこそ、積極的に自分から動いてチャレンジすることが重要だと再三強調なさいました。
 先生は、日本の次世代リーダーの育成には、本物のリーダーシップに触れさせることが必要だとおっしゃっていましたが、今回の講演は、まさに、私たちにとってのその必要性を与えてくれる、最高の機会であったと思います。

(担当: 文科一類1年 加畑究)

講義の様子

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現代において物事を動かすためには、人と人の出会い、そして個人間の信頼関係こそが重要だと述べていました。
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自分が日本の役に立つために国外とのつながりを活かせると考えた、と話されました。そしてそのような貢献として、最高の研究実績、次世代リーダーの育成、日本のグローバル・ヘルス戦略改革、国内医療改革の四つを挙げていました。