2012樋口泰行(5月7日)
Higuchi, Yasuyuki
日本マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長
略歴
1957 年 兵庫県出身
1980 年 大阪大学工学部 卒業 松下電器産業株式会社 入社
1991 年 ハーバード大学経営大学院 卒業
1992 年 ボストンコンサルティンググループ 入社
1994 年 アップルコンピュータ株式会社 入社
1997 年 コンパックコンピュータ株式会社 入社
2002 年 日本ヒューレット・パッカード株式会社とコンパックコンピュータ株式会社の合併にともない、日本ヒューレット・パッカード株式会社 執行役員 インダストリースタンダードサーバ統括本部長
2003 年 日本ヒューレット・パッカード株式会社 代表取締役社長 兼 COO
2005 年 株式会社ダイエー 代表取締役社長 兼 COO
2007 年 3 月 マイクロソフト株式会社 入社 代表執行役 兼 COO
2008 年 4 月 1 日 代表執行役 社長
兼 マイクロソフト コーポレーション コーポレートバイスプレジデント 就任
講演要旨
樋口さんは、私たちがリーダーとして生きていくために、T字型人材となるべきだとおっしゃいました。T字型人材とは、自分の強みとなる領域を深いレベルで理解し、それを自分の核としながら、幅広い知識や人脈を持って活躍する人たちのことです。そして、その具体例を、樋口さんは自己紹介を通して私たちに教えてくださいました。
樋口さんは、大阪大学の工学部を卒業後、エンジニアとして、パナソニックの溶接事業部に配属されました。その時は、一生大阪で、一生パナソニックに勤めて生きるつもりだったとおっしゃっていました。しかし、労働状況が悪く大変厳しい職場の中でも、多くの特許を取得するなど、自らの核となる技術を獲得されました。
その後、アメリカIBMスタッフとの出会いにも触発されて、留学を決意されました。猛勉強の末、MITとハーバードを含む8つの大学院に合格し、ハーバードへの留学を選択されました。ハーバードを卒業後は、そこで学んだ知識や経験を生かすために、パナソニックを退職し、上京。ボストンコンサルティングやアップルコンピューターなど、転職を繰り返しながら、幅広い知識と人脈を獲得されました。
樋口さんは、表面的で、バランスのとれていないリーダーシップではなく、もっと上位の概念である自分自身の哲学を大事にするべきであることを強調なさっていました。質疑応答では、日本人の価値観と海外の文化との矛盾をどう解決していくかという質問がでました。そこでも、樋口さんは、確かに表面上での妥協は必要になると思うけれども、日本人も外国人も、人を動かす力である自分自身の哲学は同じであるから、そこを磨いていく
べきだとおっしゃっていました。
最後に、何でも一生懸命にやることで何かが身に付く、とおっしゃり、それは、樋口さんのそれまでの生き方を集約していると感じさせられました。
(担当: 文科一類1年 加畑究)
講義の様子
幅広い知識・人脈と、自分の強みとなる領域を深いレベルで理解している、T型人間になる必要があると話されていました。
海外の本社とやり取りする能力と、日本のお客や販売パートナーとやり取りする能力は異なり、文化間の距離を埋めるために両方の視点が必要と指摘していました。