2014年夏学期 テーマ講義:東京大学教養学部

2012島本幸治(5月28日)

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Shimamoto, Koji

ソシエテ ジェネラル証券会社 東京支店
支店長 兼 調査本部長

略 歴

1990 年 東京大学 教養学部 基礎科学科卒業
1990 年 日本興業銀行に入行
興銀投資顧問運用部に配属、年金・特金のトレーダー兼アナリスト業務を担当
1991年同行 証券投資室調査班に配属。イールドカーブを中心とする国内金融市場の
分析を担当
1996年同行 調査部経済調査班に配属。シニアエコノミストとして日本のマクロ経済
調査を担当(GDP 総括、企業部門、金融・財政政策他)
2000年BNPパリバ証券に入社。チーフストラテジストとして国内外のマクロ経済・
金融市場の分析及び、債券投資戦略の立案を担当
2011年 ソシエテジェネラル証券会社 東京支店 支店長

社外委員等

内閣府 行政刷新会議 特別会計仕分け 評価委員(2010 年)
内閣府 資産の有効活用等に関する検討会委員(2010 年-現在)
金融庁 金融税制研究会委員(2010 年-現在)
金融庁 金融市場戦略チーム委員(2007-2008 年)
内閣府 構造改革特別区域推進本部 評価・調査委員会委員(2006 年-現在)
日本証券アナリスト協会検定会員

受賞歴等

・日経ヴェリタス 債券アナリスト・エコノミスト ランキング
2008, 2006 年 債券アナリスト部門 第1位
2009, 2005, 2004 年 同 部門 第2位
2007年 同 部門 第3位
2011, 2010, 2003 年 同 部門 第4位
(2006 年以前は日経公社債情報)
・週刊エコノミスト 2005, 2004 年 アナリスト・エコノミスト ランキング
債券ストラテジストの部 第1位
・テレビ東京「モーニングサテライト」等出演

講演要旨

 今回の講演者は、ソシエテジェネラル証券会社で国際ストラテジストとして活躍なさっている島本幸治さんである。
 日本経済の停滞が騒がれる昨今であるが、未来はそう暗いものではない。現在、欧州危機などにみられるように先進国の経済は閉塞状況にある。しかしこの状態は日本にとってのチャンスともいえる。まずコンドラチェフのサイクルの通りに螺旋状に国際経済が変遷していくならば、早い段階でバブル崩壊を迎えた日本は、回復に転じる時期もまた他の国より早いはずである。つまり、日本は先駆者となりえるのである。次に、日本は成長が著しいアジアの新興諸国と近く、追い風を受けやすい立ち位置にある。更に、高度経済成長期にも消費しすぎなかった日本人は、貯蓄率が高く比較的裕福である。その上、膨れ上がる国債だけが心配されるが、その一方で日本は対外債権を多く持ち、GNI(国民総所得)は伸びている。また、トヨタをはじめとした日系企業は多額のキャッシュフローがある。日本は円高を生かし、アジアなどにもっと積極的に投資していき、金融面で世界経済に大きな役割をはたしていくべきだ。
 こうした日本の状況を踏まえ、これからグローバル社会で生きていく私たちはどうすればよいのだろうか。まず、バイアスがかからないように世界に目を向けて情報を得ることが重要だ。また、他の国よりも早くバブル崩壊を迎えた日本からアドバイスを得ようと日本にアクセスしたいと考える人は多いので、日本人という立場も積極的に生かしていくべきである。

(担当: 文科二類1年 方智賢、文科三類1年 吉越文)

講義の様子

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「現在の学生は人生の選択肢が多く恵まれているにもかかわらず、それに気付いていない人が多いのはもったいない」という言葉から今日の講演が始まりました。

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世界の多くの人が日本の金融市場にアクセスしようとしている中、日本人であることはメリットであると指摘した上で、やみくもに海外に出ることばかりを考えるのではなく、まず日本の金融機関で働いて内側を理解することが、自分の強みを活かすことになるのではとおっしゃいました。